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井之頭病院 看護部
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令和3年度 東京都精神科医療地域連携事業(北多摩南部保健医療圏域)地域連携会議

令和4年3月2日(水)19時より、「精神疾患のある方の身体疾患フォローについて」をテーマにWeb会議を開催しました。
地域生活支援センタープラザの施設長鈴木卓郎氏に話題提供をしていただき、その後、市ごとのグループディスカッションを行いました。
参加いただきました皆様、ありがとうございました。
各市のグループディスカッションでの話題の抜粋と、アンケート集計結果を以下に掲載します。


各市のグループディスカッションでの話題抜粋


1.支援に苦慮した経験がある。

・ 受診を勧めても必要性を認識できないことがある。
・ 健康管理や衛生の概念が乏しいと思われる人もいる。
・ 医師の病状説明が難しく、理解できない場合がある。
・ 手術によって症状改善が期待できても、ご本人の先入観があり同意しない場合がある。
・ 馴染みのない病院(特に大病院)を受診する敷居の高さは、誰もが感じるものであり、支援があった方が望ましい。

〇 信頼関係を軸に、ひとりひとりの特性に合わせて受診の「つなぎ」を丁寧に行う必要がある。
〇 かかわり方の工夫やスキルについて、意見交換できるとよい。


2.身体疾患の受診に同行し診察に同席するのは、事業所の「持ち出し」サービスとなる。

・ 丁寧な関わりが必要なのは理解できるが、人員に余裕がない。
・ 健康管理や衛生の概念が乏しいと思われる人もいる。
・ 精神障害者のヘルパー利用も、市によって利用可否の格差がある。
・ 精神科の通院のみ、または精神科通院と訪問看護のみ利用という人も多い。
・ 訪問診療は、通院が困難な人にも有効で、身体疾患の早期介入ができるので、日ごろからかかりつけ医を持てると、連携上も有効。

〇 制度の改善や機関同士で連携する工夫について、意見交換できるとよい。


■ アンケート集計結果

アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
回収 31人(回収率77.5%)


1.回答者の所属機関


精神科の医療機関 10
精神科以外の医療機関
行政 11
地域包括支援センター
地域活動支援センター
31

2.地域連携会議の感想 (自由記載)


ほとんどの方が、満足、やや満足と回答されました。

      
満足 18
やや満足 12
どちらともいえない
やや不満足
不満足
空白
31

・ とても有意義な意見交換をさせていただきました。
・ 精神科疾患のある人の身体疾患のフォローについては、今後ますます経験値が必要になってくるテーマであると思いました。
・ グループディスカッションの中で、いくつか本質的な論点が出てきて面白かったのですが、若干時間が短く、議論を深めるところまで至りませんでした。
例えば、本人が手術の必要性の説明を身体疾患にかんして受ける場合、インフォームドコンセントを重視して生じうる可能性のあるリスクを詳細に説明されたとしても、
とても理解しきれないということがあります。かといって、「本人にわかるように」ということを優先しすぎると、説明自体が恣意的なものになってしまう恐れがある。
その問題をどう考えるか、という論点が出されました。さらに、本人に成年後見人がついていたとしても、身上監護権の中には本人に対する医療行為への
同意権は含まれていないといったこともあり、手術に同意しない本人にいかに説明していくかということも重要な論点だったかと思います。
・ テーマの設定がとても本会に即した良いテーマだった。ディスカッションの時間がとても短く感じた。
・ 研修タイトルについて意見を交換することでより理解を深めることができた。
自身の自治体の関係者との意見交換をする機会はなかなかないので、また行いたい。
・ 井之頭病院の皆様ありがとうございました。また、鈴木様の発表は具体的でとてもわかりやすく、
日ごろ患者さんに寄り添ったきめ細かなご支援をされていることがよくわかりました。
・ やはり実際に話し合える関係性が重要であると感じました。
・ 精神疾患の視点から、地域の医療機関、行政、支援者が、話ができる貴重な機会だった。とても良い話し合いができた。
・ 連携にあたっての意見等を伺うことができ、大変参考になりました。
・ 受診の難しさや課題を他機関と共有することができてよかったです。
・ もう少し、地域での事例を聞きたかったですが、高齢と障害では違いがあるけど、通院の必要性の説明、対応の大変さは同じであることを改めて感じました。
・ 日ごろ感じていることが共有できた。精神疾患があることで、身体科の受診が遅れたり、自己決定の幅が狭くなるのが実態なのだと再認識した。
・ ご参加の皆様のお話を聞かせていただき大変勉強になりました。皆様と連携できる支援者になりたいと思います。どうもありがとうございました。
・ 話題提供の感想の内容で終始してしまいました。限られた時間の中では仕方がないのですが。
・ 各市共通の問題もあり、市ごとの特徴もあり、興味深かったです。精神疾患者も身体があり、
身体疾患者も精神があることが、高齢化とともに突きつけられていると感じました。
・ 非常にわかりやすく、丁寧な支援の話題提供でした。
・ 地域の支援機関における身体合併症の対応と取り組みについて共有できたこと非常に勉強になりました。
また、治療における同意の意思決定支援の難しさは常に課題ですが、院内で共有して検討課題にしていきたいと思います。
・ 地域ごとのグループ分けは良かったと思います。また、グループワークを行うことによって、普段感じていることが地域課題として認識することができました。
・ 意見交換ができて勉強になりました。課題を共有することは新しいシステム構築の第1?だと思います。とても有意義でした。
・ プラザの鈴木さんの事例が、具体的で分かりやすかったです。
・ まだまだ、福祉サービスでまかないきれない課題がたくさんあると感じます。
・ コロナ禍ではありますが、顔の見える地域会議ができてよかったと思います。
・ 身体疾患への対応をどこでも困っている事が良くわかりました。職種にかかわらず、さらなる人の充実が必要とかんじました。
・ グループでの話し合いでは皆さんの顔を見て、さらに声が聞けてよかった。
他のグループの発表からも参考になる意見があったと思う。 身寄りのない患者さんらへの支援をどのように繋ぐか目新しい観点があった。
・ 鈴木さんのお話から、支援の段階別に誰がその支援を担うのか、ということを考えていくことがポイントであると思いました。
そのためには、個別カンファレンスが重要になるのではと考えます。 支援者で集まり方向性を確認しつつ、それぞれの役割を確認していくことが必要だと思いました。
また、医師の考えの側面と福祉の側面の考え方をすり合わせていくことも必要であると感じました。
本人の意思を尊重する、といっても、救命の考えが優先されれば本人の意思はその次になると考えられる方もいると思うからです。
本人の判断能力を、医師をはじめ支援者でアセスメントすることも大切だと思いました。
・ ウェブ会議室システムの機能を活用してグループディスカッションを行うなど、コロナ禍に対応しつつ可能な限り出席者同士の関係づくりの場を
提供していただいたことをありがたく思いました。
・ 身体疾患のサポートについて、大変興味深く聞くことができました。


3.精神疾患の日常診療における連携について日頃から感じていること(自由記載)


・ 入院等の相談について、訪問看護にお願いしたい場面とかもあるが、できればセンターの方でお願いをしたいと言われることが多いと感じている。
連携と一言で言っても色々なアプローチがあるかと思うが、どのような流れがよいのかを事務所内でも話し合うことが多いです。
・このテーマを継続し、少し切り口を変えて深めて頂くのもよいと思った。
・本人の理解を得ることが難しいケースが多いため、医療機関との連携が重要だと感じる。
・今日のグループでもでましたが信頼関係が大切と感じています。
・精神疾患をお持ちの方は、その疾患の特性からも、ご本人に治療の必要性を説明するキーパーソンをどなたにするかが、難しい課題かと思います。
・医療者が独善的にならないように注意しています。
・井之頭病院をはじめとする地域の医療機関では在宅の支援についても理解があり、支援者との連携もスムーズと感じています。
このような地域連携会議があり、顔のみえる関係づくりに役立っているように思った。
・身体疾患に対して、どう病識をもってもらうか、ケース対応をしていて、大変難しく感じています。
・病院によっては、個人情報のため情報共有が難しいという場合があり、新規ケースの対応に困難さを感じる場面がありました。
・精神疾患がある方への対応が増えており、その難しさ、医療へのつなげ方は日々悩んでいます。
・話しやすい関係、その人の性格が大切ですね。他の科の医師や支援者が知りたい点、ポイントを共有できるとスムーズでは?
・入院であれば都の合併症医療事業を利用して進めるのが一般的ですが、コロナの状況もあり簡単ではなくなっています。
普段から持ちつ持たれつで連携している身体科の病院とのかかわりを大切にしています。
・高齢者の認知症と身体の問題について、もっと知識をつけたいと思います。ひとりひとりが望む生活を送るにあたり、
時折医療が邪魔をすることがあるように思いますので。
・精神障害の方が身体疾患に罹患し、支援が必要な状況は今後も増えると思います。
・当院の精神科ソーシャルワーク機能をさらに強化していければと思います。
・身体疾患は、患者本人の病識が薄いので、治療へ結びつけることが難しい。
・連携については、関係者の努力によって比較的うまくいっていると思う。
・治療につながっていない、精神科にもかかっていないというケースが多いと感じています。精神科治療が受けられている人は医師と連携をとり、
支援方法を決めていくこともできると思います。しかし、何も治療を受けていない方は誰が支援をしていくのか、その決定が難しいように思います。
65歳以上の方であると包括が受診同行を何度も行い、治療につなげ、介護保険を申請できるようにするため動くこともあります。
個別ケースの対応に追われると、他業務の地域づくり等が滞ることもあると思います。精神障害がありそうな方は、
どこまで誰が支援をするのか。いつも悩みながら支援をし、難しさを感じています。
・精神疾患のある人自身やその周囲の人が可能な限り早い段階で異変に気付き、精神科に受診することができるよう、
精神疾患や精神科医療に関する正しい理解を持つことが重要であると感じています。
・精神疾患の患者さんは、うまく病状を説明できないことが多いので、連携先のドクターに十分な情報を提供することが大切と思います。
通院が「習慣化」するまで、家族や援助者の同行は必要と感じています。


4.精神疾患のある人、疑われる人の連携について関心のあるテ―マ(複数回答)


精神疾患と身体疾患を合併する患者の医療連携 16
身体疾患の診療科から精神科に紹介する上での連携
精神科から身体疾患の診療科に紹介する上での連携 11
医療機関(精神科または身体疾患の診療科)につなぐ上での連携 14
地域生活を支援する上での連携 20
その他
73

5.精神疾患のある人が適切な医療を受けられるために、地域でどのような体制があればよいと思いますか?アイデアやご意見をお聞かせください(自由記載)


・ 基幹相談支援センターがあることから、そこを起点に相談支援事業所連絡会において「地域生活支援拠点等」を構築するための話し合いを深めていきながら
話し合える体制づくりを進めていく必要があると思います。また「にも包括」の協議体で話し合われた地域課題を、自立支援協議会も巻き込みながら、
相談支援事業所連絡会において協議をしていければと考えます。
・ 本人に対する「情報保障」や「意思決定支援」といった観点から医療機関への受診同行等の支援を捉えなおすことが必要かと思います。
・ 精神科と内科どちらも対応できる訪問診療があること。
・ 看護師がアウトリーチする機能・制度。
・ 本日の会議などを通じて、顔の見える関係を地道に作っていくことが大事かと思います。
・ わかりやすい相談窓口があればいいと思います。
・ 個人情報の壁はありますが、情報の共有ができるツールが欲しいと思います。
・ 病識があまりない方や受診の意欲が乏しい方へ、こちらから出向いたり、積極的にはたらきかえることができるような支援体制が強化できると良いと思います。
・ 病院へスムーズにつなげるための相談、対応機関があれば、早い時期につなげることができるのではないでしょうか。
・ たくさんの参加者がおられるので、場面支援の好事例を集めて紹介してほしい。
・ 当事者の声を伺いたい。身体疾患があり、医療や支援者からどのような働きかけを受けたときに行動が変わったのかなど役割分担が整理できると良いと思います。
・ 精神科・身体科の病院・クリニック職員が集まって顔の見える関係ができると良いとは思いますが、コロナで難しいでしょうか。
・ 通院時に意思疎通のサポートが必要な方について、きちんとサポートできる体制があると良いと思います。
・ 健診へのアクセスをよくして、できるだけ早期に発見すること。
・ 地域生活支援センターなどでの健康教育ができれば。
・ 訪問診療をして、病状の見極めをしてもらえるとよい。
・ 精神疾患を有する患者さんでは、身体疾患が重症化してはじめて受診に至るという問題点が本日の議論で多く指摘されました。
訪問看護・訪問診療の強化はひとつの対策かもしれません。
・ 統合失調症、認知症、躁病、神経症等々病態は様々で、個々の患者さんへの対応が異なり困っている。独居者は、特に支援者が必要のようだが、
どのように、どこの機関が介入するか、入り口となる共通の窓口があると良い。
・ 患者さんにかかりつけ医(病院・クリニック)を決めて、普段から疎通をよくしておくことが重要である。
・ 患者さんの自立度に応じてキーパーソンを決めて置けると良い。
・ 医療が繋がっていない人でも、繋がり軌道がのるまで受診同行をしてもらえる体制。
・ 本日のグループディスカッションの中で、精神疾患のある人が身体疾患を有するようになった場合、精神疾患に理解のあるかかりつけ医を持つことが役に立つことを学びました。
ありきたりにはなりますが、精神疾患に理解のある一般科診療所の存在が、連携体制にとって重要であることを改めて感じました。
・ 少しやせてきたとか、ちょっと体調がすぐれないようだとか、日ごろ患者さんに接しているヘルパーさんなどが気づくことも多いので、
そういう情報を速やかに共有できる体制があればよいと思います。


6.精神科医療機関の方へのご質問


6-1 身体疾患がある(疑われる)方に対応する際に、他の診療科の医療機関と連携できていますか。


そう思う
ややそう思う
どちらともいえない
あまりそう思わない
そう思わない

6-2 自院では対応困難な患者を他院に紹介する際に、他の精神科医療機関と連携できていますか。


      
そう思う
ややそう思う
どちらともいえない
あまりそう思わない
そう思わない
空白

6-3 連携に必要な情報や資源は十分にあるか


そう思う
ややそう思う
どちらともいえない
あまりそう思わない
そう思わない

7.精神科医療機関以外の方へのご質問


7-1 精神疾患がある(疑われる)方に対応する際に、精神科医療機関と連携できているか


そう思う
ややそう思う
どちらともいえない
あまりそう思わない
そう思わない
空白

7-2 精神科との連携に必要な情報や資源が充分にあるか


      
そう思う
ややそう思う
どちらともいえない
あまりそう思わない
そう思わない
空白