薬剤科からのごあいさつ
薬剤科は、有効かつ安全な薬物療法の提供を通じて
患者様のこころの病の回復を支援します。
薬剤科には、現在8名の薬剤師が在籍しています。
井之頭病院のくすりの専門家集団として精神科薬物療法の土台を支えています。
調 剤
当院では、外来は100%院外処方せんを発行しているため、調剤業務は入院患者様を対象としています。
医師の発行した処方せんに基づき、お薬の量や服用方法、飲み合わせ等に問題がないことを確認した上で調剤しています。
個々の患者様の副作用歴や禁忌薬等も確認し、安全な薬物療法の提供を実施しています。
注射薬に関しても、同様の作業により安全性を確認した上で、患者様個別に薬剤を取りそろえています。
医薬品管理
薬剤科では、院内で使うすべてのお薬を管理しています。必要なお薬を安定して供給できるよう、在庫量の最適化を心がけています。
向精神薬、毒薬、麻薬等は、法令に基づいた保管、管理を徹底しています。
また薬剤科内の気温や湿度を常時モニターし、最適な保管環境の維持に努めています。
医薬品情報管理
薬剤科では、医薬品の安全性や有効性、適正使用等に関する様々な情報・資料を収集整理し、管理しています。
また副作用等に関する情報も、院内外を問わず積極的に収集しています。 それらの情報は薬剤科において評価・加工され、薬剤科ニュースや医薬品集を定期発行したり、院内メールを活用したりして、院内の各部署に速やかに周知しています。
薬剤科への問い合わせに対しても、必要な情報をできるだけ速やかに提供し、医薬品に関する正確な情報や知識の普及に努めています。
薬剤管理指導
精神科では、薬物療法が治療の大きな柱の1つとなっているため、患者様が正確な薬剤情報を知り、ご自身が納得された上で服薬をされることが、治療を続ける上で非常に重要といえます。
そのため病棟担当薬剤師がベッドサイドに伺い、お薬の効能・効果や服用方法、副作用の症状や対処方法等を患者様に分かりやすくお伝えし、安心して服薬していただけるように努めています。
また臨床検査値や薬剤使用状況、副作用等のモニタリングを継続して行い、医師に情報提供や処方提案を行うことで、薬物療法が適正に実施されるよう活動しています。
チーム医療への参画
院内感染対策チーム(ICT)、褥瘡対策チーム等、多職種からなる医療チームに薬剤師が参画し、入院患者様の生活の質の向上、医療の質の向上に貢献しています。
また、精神科急性期病棟の入院患者様を対象とした心理教室や、統合失調症のご家族向け講座(わわわ会)、アルコールリハビリテーションプログラム等の一部に薬剤師が講師として参加し、薬物療法に関する知識の提供を行っています。
薬学実務実習生の受け入れ
将来の精神科医療を支え、患者様の心に寄り添える薬剤師を育成したいという思いから、毎年薬学実務実習生の受け入れを行っています。
一般的な薬剤師業務に関する知識や技能、態度を培ってもらうのはもちろんですが、“精神科ならでは”の体験もしていただけるように、作業療法や心理教室への参加等のプログラムも組み込んでいます。
服薬指導にも早い時期から関わってもらい、患者様とのふれあいの時間を多く持つようにしています。
学会発表・論文投稿
日常の業務での取り組みや研究成果等を、院内・院外の学会で積極的に発表し、学術誌への論文投稿も行っています。
精神科薬剤師の認知向上のためにも、スタッフ一丸となって日々頑張っています。
各種認定薬剤師の取得状況
日本病院薬剤師会精神科薬物療法認定薬剤師 2名
日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師 2名
日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師 2名
日本薬剤師研修センター認定実務実習指導薬剤師 3名
後発医薬品使用促進と供給不足への対応
当院では厚生労働省の指針に基づき、患者負担の軽減、医療保険財政の改善に資するものとして、後発医薬品の使用推進を積極的に行うとともに、医薬品の安定供給に向けた取り組みなどを実施しています。
現在、一部の医薬品について十分な供給が難しい状況が続いています。当院では、医薬品の供給不足等が発生した場合、医薬品の処方変更等に関して適切な対応ができる体制を整備しておりますが、状況によっては患者様へ投与する薬剤が変更となる可能性があります。変更にあたってご不明、ご心配な点がありましたら、医師・薬剤師までご相談ください。
ご理解、ご協力のほどお願いいたします。
令和6年6月
公益財団法人井之頭病院 院長